9月7日から公開になっている映画『大統領の料理人』。
公開前に試写へ伺っていたのですが、レポートしそびれていました…
ということで、ちょっと遅くなりましたが作品をご紹介します!
〜STORY〜
自然豊かな田舎風景が広がるフランスの片田舎。小さなレストランを営むごく普通の女性オルタンス・ラボリを、フランス政府の公用車が迎えに来た。農家のストーブの前から宮殿に招かれたシンデレラのように、オルタンスが連れて行かれたのはパリのど真ん中のエリゼ宮だった。なんとミッテラン氏からの直々の指名で、大統領のプライベートシェフに抜擢されたのだ。
堅苦しいメニューと規律と縛られた食事スタイル。嫉妬うずまく官邸料理人たちの中で、彼女が作り出すのは「美味しい」の本当の意味を追求した料理の数々。
当初、値踏みするような目で遠巻きに眺めていた同僚たちも、いつしか彼女の料理の腕と情熱に刺激され、彼女のペースに巻き込まれ、官邸の厨房には、少しずつ新しい風が吹き始める。
やがて、大統領のお皿に食べ残しがなくなってきたある日、彼女に直接声をかけてきたミッテラン大統領の口から意外な話が飛び出すー。
今作は、ミッテラン大統領の心を虜にした一人の女性シェフ
ダニエル・デルプシュさんにまつわる実話がベース。
もともと食通で料理や調理法などに非常こだわりをもっていたミッテラン氏。
彼が2期目として再選された際、正式にプライベートシェフを雇うことになり
そして、彼女を推薦したのが、あのミシュランスター・シェフである
ジョエル・ロブション氏です。
劇中に出てくる大統領メニューは目でも味わえるお料理。
当時、彼女が作ったメニューを忠実に再現したもので
一見どれも高級なフランス料理に見えるのですが
実は、形式ばった官邸領地の枠にとらわれない、
カジュアルな家庭料理の流れを組んだものばかり。
台詞にもありましたが、
「フランス料理は、味だけでなく、食べた時の食感も大事にしている」
ということで、伝統的な正式な飾り付けにとらわれない
食べた際の食感を優先させた飾り方になっているそうです。
『大統領の料理人』の公式ホームページで
秘密の大統領レシピも公開されているので、要チェックです!
フランス人女優カトリーヌ・フロ演じる主人公の「オルタンス・ラボリ」は
凛とした大人の女性として、描かれています。
素敵な笑顔の裏側には、伝統を重んじる社会・男性ばかりの社会で
悩み苦しみながらも真剣に生きる、ひとりの女性。
どんな環境にいても、最前を尽くす。
「形にとらわれず」というと身勝手な感じに聞こえてしまいますが
決して無謀な「型破り」ではなく、
求められていることを達成するために、周囲との不和をいとわない。
自分に嘘をつけない、真っすぐな女性なんだろうな…と感じます。
フランス映画らしい作風で、働く女性にはぜひ観てもらいたい作品です。
“凛”という形容がまさにふさわしい女性を、ぜひ劇場で☆
【作品情報】
原題:Les saveurs du Palais
製作年:2012年
製作国:フランス
配給:ギャガ
上映時間:94分